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茅ヶ崎市役所新人研修(23年度4月)

一般社団法人4Hearts は、茅ヶ崎市役所で 4 月 7 日に新人向けの体験型研修を実施しました。
研修の目的は、多様な来庁者に対応するために必要な「相手の事情を想像する力」を養うことで、
市職員としての窓口対応や市政に活かすことを目的としています。

研修では、スローコミュニケーションプロジェクトという取り組みを紹介。
見えない(アイマスク)、聞こえない(ヘッドフォン)、話せないという状況を 3人1組で体験しながら、
協力し合ってブロックを組み立てるワークショップを実施しました。

ルールは「誰ひとり取り残さないこと」。

とはいっても、「指定された場所にブロックを取りに行くこと」だけでも、誰かを取り残してしまいそうになります。
また、見えない人の誘導の仕方にも戸惑いが見られました。
役割を交替しながら全員が体験を終えたら、次はディスカッションタイムです。
それぞれの気づきをシェアし、今後どうしていけば良いのかを話し合いました。

参加者からは、この研修を通じて、相手の事情を想像する力が養われたことや、障害の種類や状況だけでなく、孤独感や恐怖など心情についてより深く理解することができたこと。
そして、障害の有無に限らず、相手の立場で想像することが大切だということが学べたことが好評で、ありがたいことに研修満足度は100%でした。

この研修を通じて、市職員として多様な来庁者に対応するための理解や配慮が深まったことで、より良い窓口対応や市政運営に繋がることが期待されます。
障害者差別解消法における合理的配慮の問題にも留意しながら、誰ひとり取り残さない茅ヶ崎市にしていってもらえたらと思います。

一般社団法人4Heartsの研修は、障害当事者が講師としてエピソードも混ぜながらお伝えしています。
また、体験をベースに障害の有無に限らず、他の人のさまざまな事情に対して想像力を働かせるこころのゆとりを持つこと。
「じゃあ、どうしたらいいんだろう」と共に考える姿勢、対応力や転換力を引き出すこと。
コミュニケーションから孤立してしまう気持ちや、不安や諦め、つい遠慮してしまったり…
自分の心の動きも見つめながら、それを言語化していくことで
研修受講後も日常生活や業務の中で、想像力のアンテナを働かせていけることを重視しています。

参加者の声
「見えない 聞こえない 話せないという不自由を、差別しないようにしようという考えは元から持っていましたが、実際に体験してみると、その不自由さ以上に恐怖を感じました。 困っている人を手伝いたいという気持ちよりも、怖い思いをしている人を減らしたいという気持ちになりました。」

「頭で理解するのと体で理解するのは違うということが分かりました。 障害の大変さは身を持って体験するとより深い理解ができるものと思います。」

「障害を持っている方の中でも、障害の種類は様々で、また、目で見てわかる方もいればわからない方や、わからないように振る舞ってしまう方もいると初めて知りました。 講師の方がおっしゃっていたように相手の立場で想像しアンテナを張ることが大切だと感じました。」

「自分の中である程度、相手の立場に立ってコミュニケーションを取ることができると思い込んでいたが、実際に体験することで、全く感覚をわかっていなかったのだと気がついた。」

「今までも街中で障害を持っている方と会っても、声をかけることがなかなか難しくためらっていました。 今後は個人としても、市職員としても積極的にコミュニケーションを取り、声をかけたいと思います。
もっと障害者の方と普通にコミュニケーションが取れるよう、交流できる機会があるといいと思いました。」

「実際に今日のワークショップで体験したことで、より障害を持った方の目線で対応できるようになったと思います。 窓口で対応するようなことが、これから必ずあると思うので、十分に注意して対応していきたいです。」

「一番大きく変わったのは 目の見えない人、話せない人、聞こえない人が同じ場にいると、いつも1対1の話になってしまい、1人は話に混ざっていなかった。 スライドの中に『誰も取り残さない』とあったが最初は「できるだろう」と軽く思っていたけど、実際はすごく難しいことだと実感した。」

ライター