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桝県議 神奈川県議会 令和5年第3回定例会 本会議で「情報コミュニケーションバリア」について」県知事へ質問実施

情報コミュニケーションバリアについて議題に上がったことは、1つ、第一歩なのかなと思っています。

日本には聞こえにくさを抱えている難聴者が、約1430万人いると言われています。
そのうち、「聴覚障害者」として障害者手帳を保持している人は約34万人。

手帳を持たない難聴者とはどんな人かというと、片耳難聴や、日常生活で聞こえる時もあれば聞こえにくい時もあるなど曖昧な困難さを抱える方、手帳取得に至らない加齢性難聴などです。

特に加齢性難聴は75歳以上の70%が発症すると言われ、高齢者のコミュニケーションと社会参加について、団塊の世代がみな後期高齢者になる2025年を迎えるにあたって喫緊の課題となっています。

“曖昧な困難さ“は、子供の頃の食卓での孤独から、学校での孤立、社会に出た後も職場での人間関係、飲み会で場を壊したくなくて微笑んで誤魔化す、社会のコミュニティへの入りづらさ、結婚後の家庭内コミュニケーション、そして老後へと地続きの悩みです。

社会サービスの場だけでなく、イベントやセミナーなどコミュニティの場に参加するときも、手話通訳や要約筆記(会話を即座に文字にして伝える際、話のスピードによりすべてを文字にすることはできないため、内容を要約しながら伝える支援方法)など情報保障の記載がないと、参加を諦めてしまう人が多いです。

想像してみてください、参加しても周りはみんな笑ったり拍手したりしていても、一人だけ何も分からずポツンと置いていかれる気持ちを。やりきれない思いを突きつけられるために参加する人はいません。

そうすると、参加そのものを諦めてしまっている人たちがいることを周りは把握することができず、社会の理解が一向に進まない状況が起きています。
※ 情報保障…その場にいるすべての人々の「場」 への対等な参加を保障する取組

こうしたコミュニケーションと当事者心理の課題に、私たち4Heartsはずっと向き合ってきました。
そして、これらは聴覚だけに限らず、視覚障害、発達障害、高齢者、子ども、他言語話者など多くの曖昧さを抱える人たちの、社会参加に対する負い目などの当事者心理については、根底で共通している社会課題だと捉えています。

そのため、他団体との横の繋がりや、企業との連携などを活かしながら、【情報コミュニケーションから誰ひとり取り残されない社会】を目指し活動しています。

音声認識アプリやデバイス、コミュニケーションボードなどは、その一助となるツールです。
しかし、多くの人たちが良かれと思って導入しても、課題の本質をうまく捉えていないことから、ツールの導入がゴールになってしまいがちです。

4Heartsはそこにも警鐘を鳴らし、コミュニケーションに対する意識を持続的に持ってもらうための仕組みとして、ヘッドホンでの体験をベースとした研修やワークショップを展開し、アプリ・デバイス開発企業と連携を取っています。

これからも4Heartsは、一人ひとりが情報コミュニケーションバリアについて、ジブンゴトとして捉えてもらえるよう働きかけていきます。

ライター